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2012
06.16

『貴国では新たに暦本を作成したとか?』

Category: 善徳女王関連
14話の隋の使節団が真平王にお目通り…の場面です。

ミシルから今回はどのような品に関心があるのか…という問いに対して前回の交易にて商人たちが持ち帰った「きうるし」に興味があると使節団が答えました。
テレ東の放送で久しぶりにこのあたりの話を観たのですが、隋の使節団と真平王やミシルとのやりとりの場面ってそういえばあったなというくらいでその会話の内容って記憶に残っていませんでした。
「きうるし」という言葉が気になってひらがなでメモっていました。
この「きうるし」、漢字だと「生漆」もしくは「木漆」だと思ってちょっと調べていたのですが、DVDをレンタルしてこの場面を観たところ、字幕で『黄漆』となっていました。
あらま、黄色い漆のことだったんですねー。





「黄漆」・・・生漆にナヤシ(かき混ぜて漆の成分を均一にする)やクロメ(加熱して余分な水分を取り除く)といった精製作業を行った精製漆(透き漆)に黄色の顔料を混ぜた漆で強い毒性がある

「黄漆」で検索すると、ほかに黄漆が塗られた「なつめ」といった茶道道具がでてきたりしました。
でもドラマで言う「黄漆」とはどうも違うような気がして、もうちょこっと検索を進めてましたら、古代塗料金漆についての古い文書を見つけました。

それによりますと、カクレミノの木から採れる樹液を「黄漆」というのだそうです。
鉄、例えば甲冑や矢鏃に塗って防錆と黄金色の高揚に利用されたらしく、明光鎧といった金色に光り輝く鎧の名前が中国や韓国の資料にがあるそうです。
また、金銅製品、木製家具、朝鮮団扇に塗られたんだとか。
日本では「黄漆」はなくて「金漆」という名前だけが古文献に見られる貴重な塗料ということで、中国などは朝鮮半島、日本に朝貢品として求め、遣唐使の朝貢品の目録の中に「金漆四斗(約10ℓ)とあるそうです。
金漆を使う技術は日本は平安時代末に途絶えたとありました。韓国においても、三国史記や鶏林志などに金色塗料として黄漆の記録があり、昭和初めまでは黄漆の採取と塗装技術が継承されていたことが記録に残っているようです。カクレミノの地理的な分布は、全南道・済州島・莞島・大黒山島・全北道・於青島・慶南道ということで、文書には新羅より百済が国名としてでてきまして主に百済の領土側に多く分布していたようですが、新羅の領土も地理的に入っていると思われ名産品として貿易に利用していてもおかしくはないように思います。ただ、今では黄漆木のカクレミノの植生もほとんどなく、工芸技術も途絶えてしまっているとのことです。

使節団が「黄の虫食いや鉄の錆付きを防ぎ、熱にも強い」と言っていたことから、このカクレミノから採れる漆のことですね、きっと。

使節団が「新たに建てる宮殿を新羅の黄漆で塗装するように皇帝陛下が命じられた」と言っていましたが、一体どれほどの量の黄漆をお求めになるつもりだったんでしょうね。
ウルチェが「大木でも少量しか採れない非常に貴重な品です」と言うほど、日本漆の場合、一本の木から採れる漆の量はおよそ200ミリリットルとだいたい牛乳瓶1本分なんだそうです。
ちなみに漆を採る時期はちょうどこの6月ごろから9月くらいまでなのだそうです。
正倉院文書に、法華寺金堂の造営(760年)に使用された漆の総量は「二石九斗二升六合」だったと記されているようです。今の時代は便利ですね、「二石九斗二升六合」がどれだけの量か検索したら527.82114リットルと計算してくれました。また、金閣寺の修復に使われた漆の量は1.5トン余りだったとか。貴重な品を得るためなら代価を惜しまないと使節団が言っていましたが、品質の良いものを揃えるだけでも一苦労しそうな膨大な量で、無事に持ち帰ることもまた一苦労しそうですね。
ミシルが新羅では「家具や装飾品に使う」と言ってたことから、チョンミョンが隠れていたきれいな箪笥にも、もしかしたら使われていたのかしらーなんて思っちゃいました。

ところで、ミシルの力の源を探っていて、その手掛かりになりそうな「サダハムの梅」が隋の使節団と一緒にくる商団が持ち込むらしいという情報を手に入れた中での使節団との交流ということで、使節団から真平王は隋へはどのような品を望んでいるのか…との問いに対して、真平王は何やら考えがありそうなお顔で、それをウルチェに言わせます。

『貴国では新たに暦本を作成したとか?』

使節団の顔色が一気に変わり、ミシルの顔色もクローズアップされます。
この時、真平王とウルチェは、ミシルの力の源はもしかしたら『暦本』ではないかという疑いを持っていたのでしょうか。
本当に「暦本」が欲しいというよりは、ミシル側の顔色を伺ってみようという試みをしたように見えました。
ですが、使節団の顔色を予想以上に思いっきり変えてしまう結果となったということなんでしょうか…。
今でこそ、暦は簡単に手に入るものですが、その昔は国の権力の象徴であったという暦。
これがなければ1年における政策や行事を取り決めること、特に農業が生活の主体ならば、種まき時期、雨が少ない時期多い時期、それによって災害が起きる予測を立てたり…といったことができないため、こういったことを取り仕切るためのものとして国の権力者にとってとても大事なものであったんですよね…。
だから、使節団の「まだ未完成です。それに暦本は国家機密です。黄漆がいかに貴重な品とはいえ暦本を要求されるとは」というように、いくら黄漆が貴重であっても暦本と同等扱いにするなんて…国王といえどなんて恐れ多いことを仰るんだ!という感じで語気を強めたことから、やはり暦本がいかに一国にとって重要なものであるか・・・、真平王とウルチェはそのことをよく理解しているからこそ、その暦本をサダハムを通じてミシルが手に入れているとは…、これから商団を通じて手に入れようとしているということは、ミシルと言えど「まさか!」という考えであったんでしょうか。

大伽耶の冊暦をサダハムはどういう経緯で手に入れたんでしょうね。討伐から帰ったら結婚しようという約束を破ってセジョンの妻になり愛よりも権力を選んだミシルに、「権力を選んだあなたには、これが必要になるはずだ」と捧げてしまうなんて、冊暦を運よくサダハム自身が手に入れたか、大伽耶討伐で新羅が手に入れ、本来ならばチヌン大帝が手にするはずだった品々の品目から冊暦の記録を抹消し奪ったにせよ、チヌン大帝から大伽耶討伐を命じられ出陣して功を収めたようですが、その功をすべてなくすほどの大罪で大胆な行動のはずですよね。
サダハムが与えた権力の源である大伽耶の冊暦がチヌン大帝に自分が死んだあとは新羅にとって毒でしかないと言わしめた「ミシル」を作り出すきっかけとなり、その暦を有効に使い、また何も知らない民たちから恐れられ、敬われもすることをもすべて利用して「ミシル」を着々と作り上げていったミシル。恐るべき人です。
こんな人に立ち向かうことができるのは、新羅の常識に疑問を持てる人、それからはみ出すことのできる人が必要であったのでしょうか。それが「トンマン」だったんでしょうかね。
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コメント
黄漆って、音だけ聞くと、一度は鑑定団で焼き物担当の中島先生が解説してくれている気がしてならない単語です(笑)(←鑑定団をご存知なかったらすみません…!)

げんさん、こんばんは~vv
黄漆のことは全く気にしていなかったので(「漆かあ。能登半島?」で終わってましたw)、この記事を拝見して一つ賢くなった気がします(笑)
そう言えば、わりと朝鮮半島より日本の方が樹木は豊富だったとも聞くので、黄漆は案外日本の方が(方法さえわかれば)入手しやすかったりしたのでしょうか。日本では正倉院とか金閣寺とかに使われていたなら、どう見ても「家具や装飾品」用ではなく、「建築材」の一種ですもんね…!

サダハムの大伽耶征伐のことは、私も花郎世紀で読んだだけなのですが、どうも最前線で戦っていたみたいなので、ドラマの中では大伽耶の王宮掌握なんかを担当した設定なのかもしれませんねー。その時に大伽耶の残党に殺されそうになっていたウォルチョン大師を発見して保護し、冊暦も手にしたのかな…と私は妄想しています(笑)(確か、ウォルチョン大師は大伽耶滅亡の時に大伽耶の人に殺されそうになったと言っていたような…?)
こう言うところをきっちり補完したノベライズが読みたいです…っ!!
緋翠dot 2012.06.20 23:04 | 編集
緋翠さん こんばんわww

鑑定団!中島先生も知っていますよー!確かに、鑑定品を見ながら「これは黄漆という昔の塗料が塗られていて…、…大変貴重な資料となる品物です。お大事になさってください!」なんてセリフが出ていそうですねえ(笑)
変なところに喰い付いてしまいまして、黄漆や漆のことをちょっと調べてみました…。
黄漆が使われていると証明されたものは現在ほとんど残っていないようなのですが、伽耶山海印寺の高麗八万大蔵経の版木に使われているらしいということを検証したいという内容の中の、大蔵経の説明に高麗の顕宗代に刊行された大蔵経の版木は「八公山符仁寺」に保管されていた(高宗19年に焼失)とありまして・・・、あら、これもちょっとしたご縁かしら~って思ってちぃとばかり内容を拝借させていただいちゃいました…
「八公山符仁寺」って寺の名前が出てきただけなんですけれど、これが記事にした理由になってます(笑)
黄漆の原料のカクレミノについて調査したものもあって、黄漆(金漆)塗りの技術が大陸から伝わった時に原料となるカクレミノが西日本側に多く分布されていたようなので入手しやすかったかもしれないですね。ただ日本ではウルシ科の漆の木から採れる漆を使う漆工技術のほうが発達したために、ウコギ科のカクレミノから採れる黄漆は途絶えたんではないか…と考えられるそうです。

サダハムとウォルチョン大師の縁について!忘れてました…。そういえば日蝕エピの時にトンマンとの会話でウォルチョン大師がお話ししてたんですよね。テレ東での放送はカットされてた部分なので、どうしても観たくなりましてレンタルして確認しちゃいました!ウォルチョン大師の身の上のお話し、すっかり記憶になかったんで今回確認しておお!となりました。
大師は伽耶王室で格物を担う一族で、大伽耶滅亡時に王室は伽耶の財産が新羅に渡らないよう格物士を殺しにかかった中、サダハムに助けられたんですねー。
冊暦が入っていたサダハムの梅の箱の中にはきっと保護したウォルチョン大師の居場所とミシルが対面できるようにサダハムの紹介状も入っていたんでしょうね。サダハム至れり尽くせり・・・だなあ。
トンマンとウォルチョン大師とのやりとりを観て、トンマンとミセンの太陽と水は善か悪か・・・の問答をした場面が思い出されました。トンマンの問答シーンってなかなか面白いなーと改めて思いました!
ブルーレイのDVDボックスが発売になったんですよね、ここ見直したい!って思ったらすぐに見直せるように完全版を手元に置きたいとやっぱりすごく思い、悩みます。中古狙いにいこうかなーと。
でも、ドラマの沿った設定、内容でさらに詳しく補完されたノベライズが出たら迷わず速攻手元に!!ってなるでしょうね!

アンケートの集計やお家のことなど色々と忙しい中、コメントを頂いてとても嬉しかったです!
ありがとうございました~!

げんこつdot 2012.06.22 22:21 | 編集
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